
秋分の日の恒例行事「愛馬の日」。今年は仕事を午前中で切り上げ、12時半ごろに馬事公苑へ到着した。お目当ての馬場馬術「パドゥドゥ」が始まる直前だった。
すでに正門前から人波が押し寄せ、園内は例年以上のにぎわいを見せていた。ニュースでご存じの方も多いと思うが、今年は愛子さまがご来場されたこともあり、会場全体に特別な熱気が漂っていた。
売店の前には長い列ができ、自販機すら人に囲まれて近づけない。家族連れや年配の方、皇室ファンの方々など、まさに老若男女が集まったといった様子だった。
一眼レフではなく「ネオ一眼」で撮ってみた
これまで馬事公苑のイベントには一眼レフと望遠レンズを持って出かけることが多かったが、最近は年齢のせいなのか荷物(カメラ)の重さが負担に感じるようになってきた。私はカメラに詳しいわけでも、撮影が得意なわけでもない。
ならばいっそ、見ることに集中して目に焼き付けた方が良いのでは?という気もしてくるのだが、そこはやっぱり推しの姿はできるだけ残しておきたいのがファン心理である。
そんなこんがらがった気持ちの中間を取るべく、(取材ではなかったこともあり)今回は超望遠コンデジ「Panasonic LUMIX DC-F85D-K」を選んで持って行った。

このカメラは一眼レフ風のボディを持ちながら分類はコンパクトデジタルカメラ、いわゆる「ネオ一眼」と呼ばれている。内蔵レンズ込みで約600gと軽量ながら、35mm換算で20mm超広角から1200mm超望遠まで対応する、なかなか頼もしい機種である。
人だかりの中で活躍したLUMIX DC-F85D-K
メインアリーナに到着したとき、会場はすでに人だかりで、演技は後方の隙間から覗き見るのがやっと。望遠レンズを構える余地などまったくなく、一眼レフでは立ち回れなかっただろう。広い馬場ゆえ私のiPhone14も撮影が難しい。そこでコンパクトかつ望遠機能を兼ね備えたLUMIXが大いに役立った。
葦毛のティーエスネオに北原さん、栗毛のバローロに佐渡さんが騎乗する。動きの速い場面ではAFが追いつかず、一眼レフに比べるとややぼやけた描写なのは否めない。それでも、被写体が魅力的なおかげで、馬場馬術の美しさと人馬のフォトジェニックな姿を自分なりに収めることができた。







甲冑競馬の撮影は大苦戦
続いて観戦したのは相馬野馬追の甲冑競馬。こちらは余裕を持って会場に向かったので最前列を確保できた。昨年は南相馬まで足を運んだが、今年は現地に行けなかったため、こうして一部でも見られて嬉しかった。
ただし撮影は大苦戦。LUMIXの「4K PHOTO」機能(秒間30コマの連写からベストショットを保存できる)を試したが、スピード感のある競走をうまくフレームに収められなかった。
機能のせいというより、私自身の慣れ不足だろう。この機能への慣れと、甲冑競馬のスピード感、動きへの慣れの両方が必要だったように思う。
動画で撮影して静止画を切り出す機能もあるので、そちらを使うのが正解だったかもしれない。とはいえ、最後に撮れた一枚の馬の表情はとても愛らしく、満足の収穫となった。




今回の撮影を通して、LUMIX DC-F85D-Kは屋外の馬術競技をブログ用、SNS用に撮影したり、自分ひとりで楽しむ写真を撮る分にはなかなか使えそうだと実感した。ただし、動きの激しい競技や屋内での撮影には、もう少し工夫と練習が必要になりそうである。
もちろん一眼レフを持っていくにこしたことはないが、荷物の軽さやフットワークを優先したいときには、今後もLUMIXを選ぶ機会があるだろう。次のタイミングまでに、このカメラをもっと自在に扱えるようになっておきたい。